当宮の屋根は、槙(マキ・羽子板や浴室の壁材に用いられ、耐水性に優れる)や椹(サワラ・ヒノキに似た木で風呂桶の材料に用いられ、湿気に強い)を薄く板状にスライスしたものを重ねて敷いていく柿葺き(こけらぶき)という葺き方がされております。劇場の新築竣工などで「柿落とし」といわれる「こけら」です。果物の「柿(かき)」とは漢字が似ているようですが異なります。(パソコンの文字が無いため、便宜上同一のものを使用します) この柿葺きですが、瓦屋根や銅板葺きより重量が格段に軽くなるため、建造物の保護にはやさしいものでありますが、天然の物であるため耐用年数は約30年くらいになります。 さて、当宮の屋根ですが、前回の葺き替えより20数年経過しておりますが、付近に樹木が多く、また台風も多い地域であるため飛来した大きな木の枝などがぶつかるなどして既に所々傷んできております。そのため時々破損個所のみ修復しますが、今回もまた数か所の修復です。幸い氏子さんに屋根葺き師がいらっしゃるので、市の文化財保護課を経由して今回工事が行われることになりました。 本日は足場を組むなどの下準備のみでしたが、まだまだ猛暑のなか、高い所で作業されることは大変なことであろうと思いますが、神さまがお住まいになるところです。一日も早く修復できれば良いと思います。
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