山口総鎮守 今八幡宮
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地域の拠り所として
2014年02月13日

 遥か昔より、氏神さまとは「地域の拠り所」「心の拠り所」とされます。これは、最近できたような公的施設(○○センターや○○会館など)や、「地元の名士」のような一代限りの人物と違い、何百年も前からそこにあり、また何百年も前から同じ一族が宮司さんを務めているという何かの安心感があるからではないでしょうか。そういった事情により、冠婚葬祭のマナー相談や地域の慣習・習俗、郷土史などはよく訊ねられることです。そうしたなか、時折お宮の業務とは関係を有しない「身の上相談」や「聞いて貰うだけで良い」というお話しを持ちかけられることも少なくありません。この度の要旨は旧知の御婦人から次の通りです。
 
 「○○神社より、桜の苗を献木して欲しい旨依頼がありました。その神社にも時々お詣りしますので、苗木の数本ならば」と承諾し造園屋さんとともにそのお宮に打ち合わせに行ったところ、言われたことが「植樹はこちらで行いますから、費用として50万円寄進されるだけで構いません。
 唖然としたことは勿論、同行して下さった造園屋さんにも申し訳ない気持ちで一杯でした。お宅(当宮)とは関係無いことですが、年金暮らしの私に対し、あまりに腹立たしいので聞いて欲しくお電話しました」。

 そうですか・・・。何とも痛ましいお話しです。ここは市民なら誰でも知っている神社であり、決して怪しい新興宗教などではありません。それゆえ、御婦人も安心してお受けになったことでしょう。しかし実情はこの通りです。
 当宮ではどうしようもありませんが、取り敢えず「話しを聞いてあげる」ことしかできません。まさか「そこには二度と行かないようにしてください」。など言えるはずがありません。しかし、これに気を良くされ、今後100万、200万と寄進を求められる(相手がつけあがる)やも知れません。暫くお聞きし、感想を申し上げ、御鄭重にお断り(辞退)されることをお勧めしました。
 
 非常識で呆れるのみです。
 寄進とは本来、人々が自発的に行う行為です。しかし、やむを得ず依頼することも勿論ありますが、その際でも妥当な金額や相手の意を大いに尊重することが必須でしょう。他神社のことなのでそれ以上は申しませんが、よく注意されてください。

 地域に根を張り、幾代も過ごしてきたお宮の役割とは、広汎な意味においても地域の拠り所であることが必要とされます。


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