神社の森のことを、「鎮守の杜」といい、「杜」(もり)の文字だけで「神社の森(緑)」を指します。 当宮の杜も、大小様々な樹木が生育していますが、いくら緑を豊に育てると言いましても、手つかずで放置しておいては健全な生育とはならず、マメに間伐を行い日光を差し入れ、虫などによる腐食樹木は近隣樹木への影響を抑えるために伐採するなど、森林管理(きこり)の仕事も私たち自身が行います。 当宮の杜はまだ健全なほうですが、八坂神社など兼務神社の杜は平素不在にして無人であるために、なかなか手入れが行き届きません。また山ではなく平地にお宮が鎮座するため伐採樹木を堆肥として放置する場所もないため、幾度にも分けて当宮まで運びます。これらは、その木の状態によって、腐らせて堆肥(土にかえす)ものと、どんど焼きの焚き木に供するものとを分けて保管します。現在は今八幡宮に随分とこの焚き木が保管されておりますので、境内の見栄え(景観)はあまり良くありませんが、正月・節分など寒中の参拝者の暖をとるために平素より作業を行っては積み重ねて置いてあります。また、新しく水分を含んだ「生木(なまき)」は着火は遅いのですが、長持ちして暖かいなど伐採後の経年による利用方法も異なります。 神社の仕事は、単に「お祓い」のみならず、こうした作業も割合としては多くあります。
|