山口総鎮守 今八幡宮
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講話の心構え
2015年12月13日

 今日は若干肌寒い一日でしたが、それでも例年よりは温暖なのであろうと思います。
 新車のお祓い(車祓い)に続けて3組お越しになりました。新年を前に新しいクルマのお清めを行い、車両も気持ちも清々しくリフレッシュですね。
 
 神社では、お祓いのあとや祭礼のあとに簡単な「お話し」を行います。数十秒のごく短い挨拶から、「講話」というほどではありませんが3〜5分程度のもの、更に30分〜90分位の「講演」とも言うべき長いものまで様々ですが、いずれもいくつか注意していることがあります。まず、@「政治的な話し」や「特定政党の話し」はしないこと。A神社とはいえ、極めて「宗教色の強い」話しはしないこと。B「こうしなさい、ああしなさい」という強要をしないこと。C日本(日本人)を誇ることは結構ですが、だからと言って「外国を卑下すること」は全く筋違いであるということ。D人が「行う」「行った」ことに対して否定しないこと。
 
 まだ有るのですが、大きくこれら五つのことを肝に銘じています。神社には様々な人がお越しになります。老若男女、政治的宗教的に異なる人々、健康な人と病を患っている人、多種多様ですが、寛容で全てを受け(容け)入れるのが神道であると思っています。外国では「自分たちが一番すぐれている」という奢りから他宗教や他民族を排斥し、その結果戦争に至る例はこんにちなお続いています。他人の(又は外国の)良いところを見習い、取り入れてきたものが日本であり神道であると考えます。多くの日本人は、お宮へ参拝にも行けば、京都などの観光地でお寺にも行き、地元のお寺やお墓参りにも行くことがあると思いますが、我々も同じです。
 普段、限られた狭い社会で暮らしていると、自身の世界(世界観)は狭いものとなってしまいます。そうした人が必ず犯してしまうことが、「自分はすぐれている」「なんでも知っている」という傲慢から来る他者への卑下ではないでしょうか。
 
 吉田松陰先生は、萩の野山獄において同じ囚人たちと定期的に句会を開き、皆が詠んだ俳句や川柳に感心し、自ら彼らの「弟子」となった逸話が思い出されます。(一般的に俳句や川柳よりも、和歌のほうが難しく雅で高尚であるとされる。松陰先生はその和歌の達人であったが、その達人が褒め、更には弟子となることで彼らに誇りと自信を持たせた。その結果、彼らは何の楽しみもない獄において生きる希望を見出すこととなった)。
 
 多くの人と交わり、話しを聞き、色んな物を見る。そうして常に「謙虚な心構え」である。ということで、初めて人前で「お話し」をすることができるものでしょう。また、そのためには松陰先生がそうであったように「旅をする」ことも有益であると考えお奨めします。

 ※皆さんからの応援メールにより、一ヶ月以上もの間、ほぼ毎日「新着情報」を更新したことは初めてのことです。モモさん、先生、有難うございます!!


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(祭礼での流鏑馬「やぶさめ」。)


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