お正月にお祓いをお受けに来られ、またよくご参拝なさる清廉な方が、ご自身で行われている飲食店の周年祭(創業○年記念祭)のご予約にお越しになりました。 通常、周年祭を行われる方の多くが尚一層の「商売繁昌」を第一に掲げられるなか、祭事の動機を「これまでの期間において、土地やお店が疲れているでしょうから(これまで無事に見守ってくれた神さまと、土地など周りへの感謝を込めたお祭りを行いたい。)」という大変優しいお気持ちを持たれていらっしゃいました。 戴いたチラシを拝見しましたら、「お料理は月の満ち欠け、農事暦を大切にしながら少しずつ変化していきます。」と記してありました。これはまさしく神社(神道・または「日本人の生活」)と理念が共通する考えです。神社も稲作を念頭に、田植えを行い豊作を祈念する「春祭り」や収穫に感謝する「秋祭り」、夏の疫病(体力の消耗や伝染病が流行る時期)の「大祓式」や「夏祭り」など殆どは「月の満ち欠け」や「農事暦」が基本となっています。つまり、一年中ずっと同じではなく、日ごとに変化する環境に順応し、季節感を大事に「自然と共存する生活」ということです。 飲食店も単に料理を提供するだけではなく、こうした日本人らしい「こころざし(こころづくし)」や神さまを始めとした周囲への感謝の気持ちが美しい人格や素敵なお店にも表れると思います。
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