本日も土曜日ということもあり、早朝より多くのご参拝がございました。一月であるため、多くは厄除け祈願の方ですが、お宮詣りや新車のお祓いのほか、新居のお祓いや井戸のお清めなどの出向祭典もあるため、一人では困難であるために前宮司さんにもご協力いただいて何とか回っている状況です。
さて、新年の初詣には複数のお宮を巡拝される方が多いのですが、その時の目安として「三社詣り」という風習があります。 もちろん、地域によってその「三社」は異なりますが、山口地域では(順不同で)旧山口町の鎮守(氏神さま)である「今八幡宮」、周防国の三ノ宮である「仁壁神社」さん、そして「八坂神社」となります。 では、この三社はどのようにして決まったのかというと、まず当宮と仁壁神社さんは、かつて二社を並べて「両社」と呼ばれており、例祭には萩の毛利家(藩主)の名代が馬に乗って参拝されていたことに因ります。名代であることは、殿様がお参りされることと同じ意味合いを持ちます。(他では山口の代官が参拝)現在でいうと、山口では「両社」には県知事が参拝し、(代理で副知事または部長)ほかでは市長(代理で副市長または部課長)が参拝するということで、その社格が分かります。これに、お祇園さまと慕われる八坂神社を加えて「三社」となります。さらに別途二社を加えて「五社詣り」もあります。江戸時代にはもう五社を加えた「山口十社」として、おもに藩への請願などを連名で行っていました。
現在は「駐車場が広い神社」や「露天商や模擬店が並ぶ神社」「商売繁昌の御利益がある神社」を中心にお参りされる方が多く見受けられますが、幾百年ものあいだ、山口の三社として人々が詣り慕っていたお宮はこの三社となります。
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