ある国の国民は、日本において消費行動(買い物)することを、この国(日本)を「消費してやってるんだ」という認識(上から目線)を持っているそうです。 ということは、ある国が別の国に工場を持ち、その国民を雇用することは「使ってやっている」ことであり、まして6兆円を超えるODAや円借款などに至っては、「国自体を消費してやっている」行為ということになり、「養ってやっている」行為、国の存続を「支えてやっている」行為となります。 「〜してやっている」という感覚は我が国には無い発想であり、食べ物を作ってくれた方に感謝し、働いてくれる従業員あっての会社であるため、いたわりねぎらう、感謝の国民です。 そのようななか、「消費してやってる」と思っている傲慢で無知な民族がこの地球上に存在したことに、呆れを通り越し、哀れで気の毒な虚しさを感じました。 「蛙の子は蛙」。その民族の一員でなかったことが不幸中の幸いです。
神社の宮司さんというと、人々のなかで「何でも知っている物知り」や「何でも出来る器用」と思われており、度々色んなことを聞かれます。学者であれば専門分野さえ行っていれば良いらしく、「これは私の専門外なので知りません」で通用するようですが、宮司さんはそうはいきません。色んなことを幅広く勉強していなければ、信用信頼してくれる方の失墜を招いてしまいます。 ある方より、「TPPは参加したほうが良いのですか?」「アメリカ(トランプ次期大統領)はなぜ反対しているのですか?」というご質問をいただきました。 完全に専門外ですが、学者先生のように安易な言い訳をして逃れるわけにはいきません。頼られている以上、分かりやすくご説明申しあげました。
補足として、品物を例に挙げるともっと分かりやすかったと思いますので一例をあげます。
バッグを買いたいとします。予算は1万円。 日本のメーカーの物で1万円のものがあります。 アメリカの「コーチ」のバッグも欲しいけど、2万5千円もします。(コーチはアメリカでは品質が良いうえ安価で良心的なブランドです。) この2万5千円のコーチですが、バッグ自体は1万円で、関税が1万5千円掛かっています。 TPPにアメリカや日本が参加して互いの関税が無くなると、何と1万円で買えるのです! 消費者にとってはラッキーです。しかし、皆がコーチ(アメリカ製品)ばかりを買うと、日本のバッグメーカーは売れなくなり倒産します。バッグ職人は育たなくなり廃業します。 さて、どちらが良いでしょうか? このことがバッグだけではなく、クルマ、電化製品、米や牛肉を始めとする農産物など、あらゆるモノ全般に関わってきます。 アメリカは車社会です。アメリカの大手自動車メーカーは、南米向けにメキシコに工場をたくさん持っています。それは、アメリカ国内で生産したクルマを南米に輸出する輸送コストを減らす目的です。しかし、TPPが発効すると、全く同じクルマですが、人件費の安いメキシコで生産された物の方が安くアメリカに入ってきます。そうなると、アメリカの工場はやがて閉鎖され、働く人は失業します。トランプさんはこれを恐れて不参加を表明するのです。
参加・不参加のどちらが良いかは、やってみないとまだ分かりません。しかし、仕組みはこのようなこととなります。
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