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SNSという迷信
2017年03月05日

 自分がしたことは棚に上げ、自分がされたことには相手を非難し必死に喰らい付く。クレーマーやモンスターペアレントと言われる人種の典型です。みじめな人間を反面教師として「我が振り直す」。

 普段は穏やかな方より、憤りのお話しを伺いました。余程腹立たしいことであったようです。
 「自分のお店のフェイスブックが知らぬ間に勝手に作成されており、写真なども掲載されている。」ということでした。フェイスブックなどするつもりがないので、なおさら嫌な気をされています。
 考えようによっては、芸能人の「私設ファンクラブ」のように、親しみを持った好意的なものかもしれませんが、対象は芸能人ではありません。写真は無断掲載、企業秘密なども全ておおやけに露出します。ときに批判的なコメントを書かれるかも知れません。
 
 スマホの普及により、いつでも手軽に気軽に写真を撮ることができるようになったことに加え、SNSに載せることで「いいね!」の繋がり
に安堵する人が増えました。
 神社のお祭りで写真を撮られ、それが掲載されることは多少仕方ないことですが、宴会の場などでも勝手に写真を撮られて掲載されていることもあります。酒宴で顔を赤らめた写真を不特定多数に晒されることを恥ずかしく思う人もあるはずですが、そんなことはお構いなしという「自分さえよければ満足」という無神経には憤りも理解できます。
 
 当欄では、ずいぶん前に「フェイスブックへの態度」として関与しない旨を記しました。偶然今日の新聞のコラムに似たようなことが掲載されていました。
 
 携帯電話を持たない人がほとんど居ない現在、京都大学のある准教授の先生(紙上では研究分野と実名入り)は携帯電話を持っていないということ。勿論ラインやフェイスブックもしていません。記者の「自分だけ取り残された気がしませんか?」の問いに、「何となく連絡を取り合って分かった気になり、直接会う時間が減っていないでしょうか。人間は『面と向かってしゃべる』がコミュニケーションの基本。相手の反応を見ながら話すのと、文字列のメッセージとでは、気持ちの伝わり方が違うでしょう」。「どんなに技術が進歩しても、互いの気心を知るうえで『面と向かって話す』のに勝るコミュニケーションはないだろう」。

 京大の教授と同じことを数年前にここで書いていましたが、やはりこう思う人が居ました。正論ですが、世間では「変わり者」「偏屈」とされます。
 止むを得ずメールなどしますが、基本は会うことです。

 観光地でも写真は撮りません。かつては沢山撮りましたが既述の「デジタルは信用しない」ということで、いくら写真を撮っても無くなってしまいますが、頭の中にある記憶はいつまでも続きます。写真に気を取られて肝心な生の画を見損ねてしますことは残念なことです。しっかりと目に焼き付けておきます。

 SNSの存在が人を傷つけることもあり、このことで自殺する若年層も少なくありません。(既述)
 マナーを守ってもらうことが出来ない時代となりました。あとは「写真はご遠慮ください」の注意書きで自己防衛するしかなくなりました。ひとつの技術進歩は複数の文化を退化させてしまいます。アナログやステレオタイプが見直されるときまで待ちましょう。


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