山口総鎮守 今八幡宮
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謙虚で潔い姿勢
2018年06月26日

 事務仕事を行うとき、周囲がうるさくては集中しずらいものですが、無音で静かすぎるのも、これもはかどりません。こういうときはNHK-FMを点けてクラシック音楽を静かに流すのも良いかもしれません。精神的にリラックスでき、なぜか優雅な気分になった気がします。

 ある団体のある場において、若手の日頃からの不満が噴出し、年長者に対して小声で批判的な発言をしました。これを聞いた年長者は、すぐに声を荒げて叱責しましたが、やがて彼を側に呼んでその不満を時間を掛けて聞き出しました。

 その後の散会のとき、年長者は全体の前に出て、周囲の空気を悪くしたことの謝罪、自身の平素に至らぬ点があったことの反省、またこれを若手が気付かせてくれたことへの感謝、これからは気を付けることなど頭を下げて述べられました。

 何と立派で潔い(いさぎよい)行動でしょうか。これができる人は世間にそう多くはいません。むしろ居ないのではないでしょうか。彼(年長者)のこの姿を見て、尊敬に値する崇高な人間ということを知ったと同時に、人としてのあるべき姿を教えられました。
 自分がその立場であれば、絶対にできないことです。とかく自分の非を認めず「自分は悪くない。悪いのは他人だ。」と思いがちです。まして人に危害を加えた(怪我をさせた)わけではなく、考え方の違いから生じた齟齬によって、非を被り、真摯に謝ることなどかなり成熟した人格者でなければ不可能に近い行動です。そう、この方は周囲にいた誰よりも優れた精神をもっていたのです。

 人生の時間において、些細なことで仲間を失い、他人から敬遠されるようなことであれば、過ちを認め(例え自身の過ちでなくとも)その場を収めるほうがはるかに有意義な時間を過ごすことができます。
 『論語』にある孔子の「過ちては、改むるに憚ることなかれ」の言葉を実践されている、立派な行動を教えられました。


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