茅の輪の設置作業を行う一日。夕刻お見えになった氏子さんより、「宮司さんもこのような作業をなさるのですね」。 他神社では地域の方々による奉仕作業が一般的ですが、当宮では殆どの作業を宮司と氏子さんの2人だけで行います。 「宮司さん自ら作られた茅の輪なのであれば、尚更有難味があります」。 優しいお言葉に救われました。どうかお手すきの方はお手伝いをお願いいたします。
新聞に掲載される原稿を作成していたところ、ある提携会社の店長さんが社務所にお見えになりました。店長さんといっても20代のお若い女性です。 「いつもご協力有難うございます。公私共にお世話になりましたが、このたび結婚退職することとなりました。つきましては、これまで無事であった御礼に、僅かですがお供えさせてください」。 玉串料を奉納されました。このようなお礼参りを「奉賽」と言います。 とても丁寧で奇特なお志をお持ちの方です。 数日前にご両親がお祓いにお見えになりましたが、この方が娘さんであったと初めて知りました。立派なご両親には、やはり立派なご子息がいらっしゃるものです。 「県外に引っ越しますが、こちらに帰ってきたときはまた参拝に参ります」。 以前『女性の品格』という本がベストセラーになりました。ここには女性の品格のひとつに、「礼状を書く」というものがありましたが、お礼参りもこれと同様です。しかし、このような書物を読まずとも、自然とこれができる方です。 いつも若い方から学ぶことが多い日々ですが、本日も誠実な志を自然体で実践するということを学びました。 どうかご健康で、またいつでもお越しください。
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