夕刻、社務所を尋ねてお見えの方より、「お賽銭箱のところにお財布が忘れてありました。」と、お届けがありました。かなり分厚いもので、恐らくカード類など大切な物がたくさん入っているのでしょう。 ほどなく、「お宮に財布を忘れましたが、ご存じないでしょうか。」
さきほど親切な方が届けてくださったことをお伝えしてお渡ししました。 失くした財布が無事に戻ってくる。海外では珍しいことですが、当宮の参拝者は立派な方ばかり。誇らしいことです。
翌日、お祓いにお見えになった方が、途中から、かなり鼻をすすっていらっしゃいます。杉やヒノキの多い境内。 お帰りの際、うつむいていらっしゃるので「花粉症ですか。」と伺ったところ、「いえ、お祓いに感激しまして。」 何と、泣いていらっしゃいます。 「初めてお祓いに参列して・・・」
大粒の涙で目は真っ赤です。
自身の拙い祭祀でも真心を込めて行うことで、人に、祭祀そのもので感動を与えることがあるということは光栄なことであると同時に、それだけ影響もあるということでもあり、気が引き締まります。 ひとつひとつ、誠心誠意、氏神神社に奉仕する者の自覚と責任をもって行う日常です。
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