山口総鎮守 今八幡宮
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ひとつ一つ・丁寧に
2019年02月24日

 温かい日ほど花粉の飛散が激しいようです。花粉症の方にはつらい時期であり、スギを多く抱える神社としては申し訳ない季節です。

 あるテレビのドキュメント番組を見ていました。東京の人気たい焼き店の様子を撮影しており、一個150円のたい焼きが一日に2,500個売れるそうです。常に行列が出来ており、繁盛しています。
 行列に並ぶ人へのインタヴューで、「(タイの型の鋳物の焼き型が)三連のものを『養殖』と言いますが、ここの店のものは一個づつ焼く『天然もの』であるため、丁寧な仕事で貴重であり好きです。」というものがありました。

 産業革命は工場での大量生産が大きな利益をもたらしました。一個づつを何度も作るより、一度に大量に(または分業して)生産することで、効率よく大きな利益をもたらしました。

 これらは現在では当たり前となり、どの業種でも「一人のため」や「一個だけつくる」ということは行わず、なかなか見当たりません。

 このことは神社でも例外ではなく、例えば「次回の七五三は○時からです。」として、一度に複数組纏めてお祓いを行います。仮に、10組纏めてお祓いを行ったとしましょう。一度のお祓いで10組分の祈願ができるため、神職の負担は少なく済みます。建造が新しい神社ほど、これに合わせた拝殿の広さであるためその傾向があります。
 
 一方、当宮のように500年以上前に造られたお宮は、個人祈願が無い時代であったため、拝殿も狭い造りとなっています。よって、一度に多人数は入ることができないため、一組づつのお祓いとなります。参拝者からは丁寧さに感謝や感激などしていただけますが、10組のお祓いを行うためには10回の祭事を行います。必然的に、一時間に行うことが出来る祭事の件数も限られてきます。しかし、お詣りされる方を事務的機械的にロボットのような祭事を行うことなく、真心込めて一組づつ行うことに、氏神神社としての責務と使命を遂行するのみです。

 「ひとつづつ作る」ということは、その一個一個に責任を持っているということ。タイの型枠が3連・5連のたい焼き屋さんと、一個づつのお店。皆さんはその違いに何か感じることはおありでしょうか。


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