山口総鎮守 今八幡宮
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勇気ある青年
2019年11月12日

 七五三詣りが最盛のこの時期、朝夕とめっきり「寒い」と感じる毎日となりました。

 日韓関係がかつてないほどに悪化しています。双方に言い分があるのですが、少なくとも不買運動や、日本製品を踏みつける行為はやめて欲しいものです。こうした物を一生懸命作られた方に対して、本当に失礼なことです。

 テレビで放映されており、改めて思い起こしたお話しがあります。
 2001年の一月、東京のJR新大久保駅で、ホームから転落した人を助けるために線路に降り、入ってきた電車にはねられて亡くなった、韓国の留学生、李秀賢(イ・スヒョン)さんのことです。

 既に18年も前になりました。人が転落したことを見て、救うために自分を犠牲にして助けられた英雄です。
 
 テレビでは、現在の彼のお母さん(お父さんはお亡くなりになっているそうです)が、こんにちの日韓関係の悪化が取り巻く環境を中心に製作されていました。

 李さんのご両親は、元々日本に対して良い印象がありませんでした。
 そのようななか、韓国の一流大学を卒業した息子が日本に留学して、日本語を勉強したいということに戸惑いがありましたが、認めました。
 
 息子は両親に、「日本は素晴らしい国だよ。学ぶことがたくさんあるよ。韓国の人は、一度日本に来てみたら、そのことが分かるよ。」

 と言っていたそうです。半信半疑でいたご両親は、あまり気に留めていませんでした。そのようななか、電車事故がありました。

 葬儀は日本でも行われました。

 この時、ご両親は驚きました。それは、報道でこの事故、この素晴らしい青年の勇気ある行為を知った人、個人的に関係の無かった日本人が多数、大変な列をなして参列したのです。ときの外務大臣、国土交通大臣はじめ、政治家も多数参列しました。彼らは一様に涙を流し、李さんを称え、すぐに駅に顕彰碑をつくるべく募金活動を始めました。募金で集まったお金をもとに、奨学金も設けられました。

 そして現在、反日デモや不買運動。

 命を懸けて日韓の架け橋となった李さんの遺志を、決して無駄にしてはいけません。かれのお蔭により、素晴らしい友好的な関係が構築されなければなりません。

 前途ある優秀な青年が、命を懸けて願った遺志は、日韓の皆が受け継ぐべきことと思います。

 
 


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